川越氷川神社の「縁むすび風鈴」を見て風鈴に興味がわき調べてみたら、そのルーツや風鈴の歴史がおもしろい。
今では夏の風物詩として、涼を呼ぶ音色で庶民に愛されているが、風鈴はもともと占いに使われていた。
2000年前の中国で「占風鐸(せんふうたく)」という竹林に金属製の鈴をぶら下げて、その音色で吉凶を占っていたという。
それから、お寺の四方に厄除けとしてつるす「風鐸」となり、仏教とともに日本に伝わった。
風鐸は今でもお寺の屋根の四角に吊られているのを見ることができる。
音はチリンチリンでなくガランガランとなる。
やがて戦国時代末期に日本にガラスの製法が伝わり、江戸時代にガラスの風鈴が普及していく。
最初は「ふうりん」でなく「ふうれい」と呼ばれていたようだ。
江戸時代はガラスを「ビードロ」とか「ギヤマン」と呼ばれまだまだ珍しく、貴重なものだった。
ガラスの風鈴は貴重品で、今の価値にすると200万円くらいしたそうで、当時は大名や豪商のような身分の者しか買えなかった。
明治時代の半ばになり、ようやく庶民の手に入るようになり、道端で江戸風鈴を売る売り子の姿がが見られるようになった。
日本各地には、ガラス製のほかに南部風鈴のように南部鉄でできた金属製の風鈴や、陶器や木で作られためずらしい風鈴もある。
「売り声も なくて買い手の 数あるは 音に知らるる 風鈴の徳」
売り声をあげなくても風鈴の涼やかな音色に集まってくる江戸時代の庶民の様子がうかがえる歌ですね。
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川越氷川神社の縁むすび風鈴 |