2015年6月16日火曜日

『17歳のカルテ』忘れられないガールズ映画

17歳のカルテ

10代のころに自らも境界性パーソナリティー障害を患っていたと告白したウィノナ・ライダーが、企画に惚れ込んで初めて製作兼主演をした作品である。

当時新人のアンジェリーナ・ジョリーが映画の助演女優賞を総なめした。
主演のウィノナ・ライダーをアンジェリーナ・ジョリーが存在感と演技で圧倒していた。
金髪で前髪ぱっつんのアンジェリーナ・ジョリーがすごくいかしてる。


ストーリー】

薬を大量に飲んだスザンナ(ウィノナ・ライダー)が病院に担ぎ込まれる。
自殺する気などなかったが、生きてる意味もわからず不安でむなしい気持ちを理解してもらえない。
両親は情緒不安定で心を開かないスザンナを精神療養施設に入れる。

スザンナはそこで自分が「境界性パーソナリティー障害」と診断されたカルテを盗み見てしまう。

その施設には他にもさまざまな病を抱えた少女たちがいた。

リーダー格のリサ(アンジェリーナ・ジョリー)は反抗的で脱走の常習者。
自由奔放で、わがままで、冷酷だが、やさしい面もあり、なぜか慕われている。
スザンナもそんなリサに惹きつけられていく。

ポリー(エリザベス・モス)は両親からアトピーの原因である犬を捨てるように言われ、自ら顔ににガソリンをかけ火をつけ顔にやけどのあとがある。
その他にも虚言癖のジョージーナや、他人がいると食事のできないデイジーがいた。

最初はとまどいながらも、次第に人とのかかわりを持ち始めたスザンナは変わっていく。
そして、いつしかそんな彼女たちがスザンナにとってかけがのない存在になっていく。

「カミソリは痛い、水は冷たい、薬は苦い、銃は違法、縄は切れる、ガスは臭い。 生きてる方がマシ。」

リサの有名なセリフだ。
自分の愛し方がわからずもがき苦しんでいる彼女たちの痛みが伝わってくる。

けれども、誰しも理由のわからない感情に悩み苦しむ思春期を思い出すと、何が正常で何が異常なのかわからなくなる。

彼女たちの痛みに胸がつぶれそうになりながら、ウィノダ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーという違うタイプのふたりのかわいらしさとかっこよさにガールたちは魅了されてしまうのだ。

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監  督    ジェームズ・マンゴールド
脚  本    ジェームズ・マンゴールド リサ・ルーマー 
         アンナ・ハミルトン=フェラン
制  作    キャシー・コンラッド ダグラス・ウィック
製作総指揮  ウィノナ・ライダー カロル・ボディ

キャスト    ウィノナ・ライダー アンジェリーナ・ジョリー  
撮  影    ジャック・グリーン
編  集    ケヴィン・テント
原  作    スザンナ・ケイエン 『思春期病棟の少女たち』