ニコラス・ケイジ演じる詐欺師のロイは病的なまでの潔癖症で、じゅうたんが少し毛羽立っただけでも気になってクリーナーをかけ、家じゅうを磨き上げ消毒をする。
洗濯ものもきれいにたたみ、食器が汚れるのが嫌でツナ缶ばかり食べている。
詐欺をしている時は、別人のように緻密に計算されたテクニックで手腕を発揮する。
そんな複雑なキャラクターをニコラス・ケイジが巧みに演じていて、映画のストーリーよりもロイのキャラクターが面白すぎて引き込まれる。
ある日医者に処方された薬を誤ってキッチンの排水溝に流してしまいパニックになったロイは、詐欺師仲間のフランクにすすめられて、精神分析医のクレインのところを訪れる。
そして、十数年前に別れた妊娠中だった妻のお腹にいたという少女アンジェラに会いに行くことをすすめられる。
そんなある日相棒のフランクが大きい仕事を持ちかけてくる。
いつも緻密で計算しつくしたロイの計画が思わぬ方向に転がり始め、娘のアンジェラを巻き込むはめに陥り事態は最悪の結果に・・・
ところが、この全てがどんでん返しの結末の複線だったのだ。
2003年に製作された映画だが、今観ても脚本の面白さが古臭さを感じさせない。
ほろっとさせる父娘のストーリーに気をとられているうちに、観客は騙されているのだ。
『マッチスティック・メン』は詐欺師の意味だそうだが、騙されるのは観ている私たちなのだ。
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監 督 リドリー・スコット
脚 本 ニコラス・グリフィン
テッド・グリフィン
制 作 ジャック・ラプケ
リドリー・スコット
スティーブ・スターキー
ジョーン・ベイリー
テッド・グリフィン
製作総指揮 ロバート・ゼメキス
音 楽 ハンス・ジマー
撮 影 ジョン・マシソン
編 集 ドディ・ドーン
原 作 エリック・ガルシア
キャスト ニコラス・ケイジ サム・ロックウェル
アリソン・ローマン ブルース・アルトマン