2015年6月26日金曜日

そらみみ植物園

偶然つけたラジオのゲストがプラントハンター「西畠清順」さんだったことが何度かあって、その中で彼が語っていた内容がすごく面白くてひきつけられた。

目的地に着いてしまっても、最後までラジオを聴いていた。

彼の好きな言葉が「念ずれば花開く」。

植物は花を咲かし、実をつけて種を残す。
植物に接する中で、花は始まりの象徴だという気づきがあり、強く願えば夢がかなうのではなく、誰でも夢に向かってスタートラインに立てる・・・という意味でこの言葉が好きになったというような話をされていた。

好奇心旺盛な少年が世界を旅し、偶然出会った植物に魅せられ家業の花と植木の卸問屋で働くことを決意する。
もともと明治時代から150年続く「花宇」の5代目だ。
それから、自身で「そら植物園」をたちあげ、植物関係のプロジェクトに携わってきた。

好きな花が桜。
花が咲いた時の他の植物にはないカリスマ性に魅かれるとも、一番男らしい花かも知れないとも語っていた。
彼には潔く散る姿が男らしく映ったのか。意外だった。

桜の散り行く姿に、儚さを感じる人が多い中で潔さを感じる感性が、見た目だけでなくその花の性格というか人間性(花性というべきか)にまで触れようとする深い愛情を感じる。

常に植物に接している者にしかわからない、何か通じるものを身につけた不思議な空気感を持った人だ。

植物に何が大切でどこに本質があるか教えられるとも。
そして、植物を女性を見るように見た目や雰囲気で好きになったり、最初は興味がなくても性格や背景を知って尊敬に変わっていくこともあると例えた。

彼にとって植物はただの植物でなく、家族であり恋人でであり友だちであり、先生なのだ。

そんなプラントハンター西畠清順さんの本を買った。
『そらみみ植物園』。

たくさんの植物に接してきた彼の純粋な子供のような好奇心と自然への畏敬の念にあふれ、ユニークな植物がいっぱい紹介されたとてもステキな本だ。

おそるべき才能をもった植物、イラッとする植物、ムラムラくる植物、残念な植物、愛を語る植物などなど・・・他にもいろいろ紹介されている。

見たことも聞いたこともない植物園がそこにある。

とりあえず、次の休日に彼の手がけた「代々木ビレッジの庭」に行ってこようと思う。