2015年5月28日木曜日

フリーダ・カーロ 再び

映画『フリーダ』でフリーダ・カーロを知った。

その特徴的な太いつながった眉と、何もオブラートに包まず剥き出しの自分を描いたその作品の強烈さと色の鮮やかさに誰もが衝撃を受ける。

フリーダを演じたサロマ・ハエックもよかった。
まるでフリーダがそこにいるかのように、美しく意志的な目が印象的だった。

フリーダの人生は愛と苦痛に満ち波乱万丈だった。
高校生の時に乗っていたバスで事故にあい全身を骨折し、鉄の棒が体を貫通する重傷を負った。
その後、何か月もコルセットで固定され苦しい手術を何度も繰り返すことになる。
悲惨な状況の中、絵に感情をぶつけるように描き始める。
そのほとんどは自画像だった。両親は寝たきりのフリーダが絵を描けるようにベットの天蓋に鏡をつけた。

その後、21歳も年上の有名な壁画家ディエゴ・リベラと出会い結婚する。
ふたりは愛情でも芸術の面でもお互いの人生にとって重要な存在であったが、ディエゴの女遊びや実妹との関係に苦しみ、フリーダ自身も愛人を作りながらも、お互いと2度結婚し、因習にとらわれない生き方で愛し合った。
当時の人々にとっても刺激的なフリーダの強くたくましい生き方にあこがれる人は少なくないと感じる。

また、彼女の独特な民族衣装を取り入れたファッションにインスピレーションを受けたデザイナーも多い。

話は逸れるが、意外だったのは、愛人のひとりにイサム・ノグチがいたことだ。
我が家にもイサム・ノグチのデザインの照明”AKARI"があり、香川の”イサム・ノグチ庭園美術館”などで知っていたデザイナーだったからだ。
また、イサム・ノグチは李香蘭、後の山口淑子と結婚していたことでも有名だ。

そのフリーダ・カーロの人生を追ったドキュメンタリー映画が今年の夏から上映される。
『フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように』 小谷忠典監督。

私はツイッターの拡散で知ったのだが、フリーダ・カーロの死後50年を経て、遺品を撮影するプロジェクトの依頼を受けた写真家の石内都さんの撮影の過程を記録した映画だ。

また、フリーダに会えるかと思うと上映が待ち遠しい。


2015年8月8日(土)より シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

公式リンク フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように