2015年5月1日金曜日

思い出シネマ

一番古い映画の思い出は幼稚園のころにさかのぼる。
映画好きの両親に連れられて、近くの映画館に行った。
東映の『無責任シリーズ』だったように思う。
クレージーキャッツが出ていて、映画を観た後植木等の歌をふざけて歌っていた。

それから家族そろってテレビの日曜洋画劇場をよく見ていた。
「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の淀川長治が解説をしていて洋画の面白さを教えてもらった。
最近、子供のころにテレビで観ただけの映画が上映されているとスクリーンで改めて観たいと思う。
大音響でスクリーンから飛び出してきそうな迫力のあるハリウッド映画も嫌いではないが、ストーリーの面白さとアナログな映像の懐かしい映画を大人になって観るといい映画は古さを感じさせず観るたびに新しい発見がある。

小学生の時には東映まんがまつりをよく観に連れて行ってもらった。
特に『太陽の王子ホルスの大冒険』と『長靴をはいた猫』が印象に残っている。
『太陽の王子ホルスの大冒険』は高畑勲の初監督作品で宮崎駿が本格的にアニメ作品に携わった作品でもある。
大好きだった『パンダコパンダ』はこのコンビで4年後につくられる。
娘が幼いころにもよくDVDを一緒に観た。
ちなみに『パンダコパンダ』は『となりのトトロ』の原型とも言われている。

中学生のころはたまたまテレビで観た『悪名シリーズ』にはまった。
今東光の小説を原作にした人気シリーズで、勝新太郎の演じる八尾の朝吉と田宮二郎のモートルの貞が極道に立ち向かう任侠を演じている。
特に田宮二郎がお気に入りだったが、確か2作目で刺されて死ぬ。
映画の中の女の子が♪Gonna take a Sentimental Journey~と歌っていたジャズの有名な曲「セントメンタルジャーニー」が今も耳に残っている。
後に知ったことだが『悪名』の朝吉と貞には実際のモデルがいるらしい。
後に夫婦となる中村玉緒と共演している。


高校生になると姉とよく洋画を観に行った。
リバイバル上映だったと思うが、姉と観た『風と共に去りぬ』に夢中になった。
上映時間が4時間くらいあり、確か途中休憩時間があった。
ビビアン・リーがスカーレット・オハラそのものにみえた。
映画雑誌の付録だったのか姉が壁に緑のドレスを着て片眉をつり上げたビビアンリーのポスターを貼っていた。
スカーレットはアシュレーを愛していたが、わたしはクラーク・ゲーブルが演じるレッド・バトラーの方が断然好みだった。
今思うとませた女子高生だ。

父が好きだったウェスタンや戦争映画もよく一緒に観たが、大人になってその時の時代背景や社会情勢を照らし合わせてみるようになると、その時理解できなかったことが後のなって合点がいったりする。
わたしにとって映画はノスタルジックな思い出とともに、恋やファッション、生き方までも教えてくれるデザートのようなものだ。(そのココロは・・・ないとさみしい)